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フィラリア予防のシーズンになりました [クリスの院長室]

フィラリア予防は実は感染予防ではありません。
知っていました?

蚊に刺されるとフィラリアの子虫がわんちゃん、ねこちゃんの体内に入ります。
これは防ぎようがありません。
(実は網戸も無効と言われています。)

子虫は成長しながら心臓に移動を始めます。
放っておくと心臓でフィラリアが成長し、
ゆっくりと症状が出てしまいます。

予防薬が行っているのは心臓で大きくなる前のフィラリアをひと月に一度駆除することです。
”フィラリア症発症”の予防とか感染”成立”の予防とか言った方が良いのかもしれません。
蚊に刺されてからひと月後に薬を飲ませる理由もここにあります。
くれぐれも間違わないようにお願いします。


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先日、古いポケットティッシュが出てきました。
よくある宣伝用のもので、”カルドメック”と書いてあります。
”月1回の錠剤が出来ました”とも。

今では当たり前ですが当時は画期的な薬だったのです。
それまでは毎日毎日薬を飲ませました。
又は感染を許して、心臓に寄生してしまったフィラリア成虫を毎年駆除していました。
ヒ素剤を使って。

それに比べると今のわんちゃんねこちゃんは幸せです。
だけど、注意点もあります。
それはフィラリア予防薬の副作用。
予防薬の飲ませ忘れや飲んでも効いていなかった場合、
蚊の発生時期がずれていた場合などは危険です。
それを事前に防ぐために毎年検査を行うのです。

じつは当時画期的だった月1度の薬は当初”検査不要”だったと思います。
でも発売後しばらくして事故が起こってしまいました。
メーカーはあわてて投薬前の検査を指示したのです。

当時私は大学の研究室で予防薬メーカーの委託を受けまして、
フィラリア感染犬に薬を飲ませる実験をしてました。
投薬後定期的に血液サンプルを採り、あとはひたすら観察。
(私たちの間では「お昼寝実験」と呼んでいました。w)

その結果、出る出る副作用が。
血液を調べるとしっかりと影響が出ているのです。
今まで”検査ナシ”で出していた薬はなんだったんだろ?
と当時思いました。
飼い主さんが副作用に気付いてないだけで、
実は危険なことだったと感じました。

話が長くなってしまいましたが、
私はフィラリアの検査を強く薦めているのは、
過去にそういう経験があったことも想像していただけると嬉しいです。
(決して押し売りじゃないんですよ。w)


日本でも果物の産地は北上して困っているようですが、
確実に温暖化は進んでいます。
私は昨年11月末に蚊に刺されました。
予防薬も年6回から7回へ、そして今は年8回投与が標準になってきました。
この傾向は当分変わらないと思います。


”フィラリア予防薬は最後の1回を忘れずに!”

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